財界の暴君に契約妻として囲われました ~初恋を拗らせた大富豪に、一途に愛されています~
「続いて──、アミル財団が支援する新技術の発表に移ります」

 会場が一瞬で静まり返る。
 スクリーンの映像が切り替わり、九石精工のロゴが映し出された。

「今回、情報漏洩したと報じられていた技術──その正体がこちらです」

 スクリーンには九石精工の新技術〝ナノメッシュコア〟の構造図と世界特許の申請番号が表示された。

「これは、日本の緻密な技術が生んだ、次世代の環境保全を担う世界特許──ナノメッシュコアです」
「ナノメッシュコアとは何ですか?」

 記者たちから質問が飛び交う。

「九石精工のナノメッシュコアは、自己修復型のろ過フィルター技術で、医療現場や工業用途に使用可能です。従来のフィルターのおよそ十倍の寿命が実現しました」

 記者たちが一斉にメモを取り始める。その光景を見て、俺は確信した――俺の目に狂いはなかったと。

「すでに海外の研究施設などから問い合わせをいただいております。今後はアミル財団の支援のもと、九石精工の技術を世界中の人々に届けてまいります」

 俺は胸を張って発表した。

 東京の下町にある町工場――九石精工。
 その技術は、世界を震撼させるほどの最先端技術で、これから先何十年と、この業界の先駆者となり続けるだろう。

「そして──今回、アミル財団が宝生インダストリー社を買収した全額は、世界中の医療・教育・福祉を必要とする施設へ寄付いたいします」
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