財界の暴君に契約妻として囲われました ~初恋を拗らせた大富豪に、一途に愛されています~
 俺の言葉で、会場が再び騒然となる。
 会場の隅で取り押さえられたままの愛華は、悔し涙を浮かべながら、俺に鋭い視線を突きつけている。その瞳は、恐怖と絶望に満ちていた。
 俺は壇上から愛華を見下ろした。

「最後に。アミル財団の名称の由来は、私の初恋の女性であり、妻でもある〝李茉〟からきています。英語表記の〝L(エル)I(アイ)M(エム)A(エー)〟を逆さにしたのが〝A()MI()L()財団〟です」

 会場が、しん、と静まり返る。
 俺はテレビカメラを通して、全世界に宣言する。

「たとえ地位や名誉を手放したとしても──俺の妻は〝李茉〟ただ一人だ」

 俺の言葉に、愛華はその場に崩れ落ちた。

「え、離婚したんじゃなかったの?」
「片桐さん、奥様との馴れ初めは……?」
「奥様は、今回の件に何かおっしゃってますか!?」

 動揺する記者たちがそれぞれに思うことを口にする。

「以上をもちまして、記者会見を終了いたします」

 及川が、打ち切るように告げた。
 俺は隣に座る新藤の肩を軽く叩く。

「悪いな、あとは頼む」

 俺はあとのことを新藤と及川に任せ、壇上を下りた。
 向かう先はただ一人――最愛の妻、李茉の元へ。
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