財界の暴君に契約妻として囲われました ~初恋を拗らせた大富豪に、一途に愛されています~
第11章 手繰り寄せた運命の赤い糸、エタニティLOVE
 園児たちが「りませんせい、さようなら~!」と元気よく帰っていき、園内は静けさを取り戻した。

 綺麗に片づけた教室内で、翌月向けの壁面構成に二時間ほどかかり、ようやく一息つこうと休憩室へ向かった。
 ドアを開けると、先輩教諭たちがテレビにくぎ付けになっている。

 テレビ画面上部には【M&A発表記者会見】というテロップが表示され、今まさにその記者会見が行われているようだ。

『――今後とも片桐キャピタルをよろしくお願いいたします』

 惺也くんが挨拶し、マイクを置いて腰を下ろした。

『それでは次に、質疑応答へと』

 司会者が質疑応答へと進めると、愛華さんがマイクを手にして立ち上がった。

『本日は──もう一つ、大切なご報告がございます』

 薄っすらと笑みを浮かべながら、隣に座る惺也くんを打見した。
 テレビ画面右下に【買収発表と同時に婚約発表か!?】とテロップが躍る。

 都内の高級ホテルで行われている記者会見。
 惺也くんたちの背後には、M&Aの記者会見には不釣り合いの金屏風が立てかけてある。

 彼の元を去る時に、覚悟していたはずなのに……。
 実際にその光景を見るのは、やっぱり胸が締めつけられるほど苦しい。
 私は無意識に、胸元に手を当てていた。
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