財界の暴君に契約妻として囲われました ~初恋を拗らせた大富豪に、一途に愛されています~
第2章 規格外の男による、ラグジュアリーなデート
 翌週土曜日の朝九時すぎ。
 朝の光が柔らかく差し込み、初夏の風が部屋のレースカーテンをそっと揺らした。

 今日は──〝見極めデート〟の日。
 デートなんて数年ぶりだし、相手は、十年ぶりに再会した高校時代の同級生。
 嫌味な御曹司として記憶している、あの片桐くんだ。
 もう何日も前から、胸の奥がそわそわして落ち着かない。

 クローゼットからワンピースを三着取り出し、ベッドの上に並べて悩む。
 普段は園児相手だから、動きやすい服ばかり。
 デート用の服なんて、もう何年も買っていない。

 悩んだ末、無難なストライプのシャツワンピースを選んだ。

 髪型も迷う。軽く巻くべき? アップにする?
 ドレッサーの前に座り、あれこれ試してみるものの、結局、無難にハーフアップに落ち着いた。

 メイクを仕上げて、香水の瓶を手に取る。

「……普段はつけないけど、今日は……どうしよう」

 職場では香料のあるものは禁止されている。でも今日は仕事じゃない。
 ほんの少しだけ、手首と耳の裏につけてみた。

 鏡に映る自分を見つめながら、小さな溜息が漏れた。

「……これでいいのかな」
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