財界の暴君に契約妻として囲われました ~初恋を拗らせた大富豪に、一途に愛されています~
 負債を返済してもらう代わりに契約結婚すると決めたけど、ご両親や親族が黙っていないのでは……? 昔からの大財閥なら、許嫁がいてもおかしくない。彼は何も言ってなかったけれど……。

「突然で驚くかもしれないけど、彼が今夜、挨拶に来たいって言ってて……」
「それって……結婚したいってこと?」
「……うん」

 母の直球な質問に、一瞬たじろいでしまった。

「もうお返事したの……?」
「……うん」

 母は少し安堵したような表情を浮かべた。父は驚いた顔で私を見ている。

「お父さん、あのね……片桐くん、投資会社を経営していて……、その……うちの会社の借金を全額肩代わりしてくれるって言ってるの」
「ッ!? それは……どういう意味だ」

 父の眉間に深い皺が寄る。

「負債額の五億円を融資? 投資って言ってたかな……? 全額払ってくれるらしいの」
「もしかして、それでさっき、会社の口座番号がどうのこうのって聞いたの……?」

 母が顔を曇らせ、聞いてくる。

「……うん」

 私は、事務担当の母から会社の口座番号を聞き出していたのだ。

「やだ、お父さん、どうしましょう……」
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