銀河の雫

プロローグ 銀河

「しずく、もう遅いから寝なさい」

「……は~い」

母に促され、急な階段を上った。

昭和の木造家屋だ。

ひとつ階段を踏むたびに、ギシッ、ギシッと音が鳴る。



ふと、外に目をやると星が出ているのが見えた。

誘われるように重いサッシを両手で開けると、冬の冷気が吹き込んだ。

「さむっ」

一瞬、躊躇したけど、意を決して裸足のまま、物干し台に出る。

ここは田舎の商店街。


物干し台は裏手に面していて、街灯の明かりも乏しい。

ペンキの剥げた木造の手すりを両手で掴むと、視線を上げ、夜空を仰いだ。



「うわぁ」

思わず声が出た。




星々が、漆黒の夜空を埋め尽くすように、きらめいていた。

「きらきらひかるー、おそらのほしよー」

白い息を吐きながら、習ったばかりの曲を歌ってみる。


「星のまたたき」という言葉があるけど、それは本当だ。

星は、私に何か伝えたくて、信号を送っているかのように、きらきらと点滅している。

壮大な星空を見ていると、自分がとてもちっぽけな存在に思えた。






……今日、学校で起こった出来事も、嬉しいことも、悩み事も。



……そう、全部。






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