銀河の雫
翌朝の目覚めは決して良いものではなかった。
ゆっくり目を開くと、いつもと変わらない天井がぼんやりと見え、少しずつ焦点が合っていく。
できるなら一夜だけでも、甘い気分に浸っていたかった。
幻想を抱いたまま、朝まで一緒に眠りたかった。
『ごめん』
落胆した表情が目に浮かんだ。
ダメダメ。
所長は私に謝ったのだぞ。
派遣社員とはいえ、部下に手を出してしまったことを、きっと後悔していたんだ……
だとしたら、今日はなんとも思っていないという演技をしなければならない。
まだ、契約期間も残ってる。
そうだ、私は先週の私と何も変わってないのだ。
涼しい顔で「おはようございます」と笑顔で言えたら、もう、昨晩のことはキレイに忘れよう。
そうだ、気分転換も兼ねて、次の仕事も探し始めよう。
私には大也がいる。
三十八歳にもなって、いい歳して、夢を見てしまった。
なんだか、そんな自分がとても恥ずかしいものに思えた。
私にも白馬に乗った王子様が現れたのかと……
本当、馬鹿馬鹿馬鹿。
間抜け過ぎて、自分自身に鳥肌立つわ。