銀河の雫
『ピンポーン』
私はある家の玄関のチャイムを押した。
『はい』
しばらくすると、年配の女性が玄関に姿を現した。
「どなだ様だったがね?」
「あの……月浦商店の長女のしずくです」
「あぁ、いつぞやの月浦さんのね」
「その節は大変お世話になりました」
出てきたのは、あのときのお見合いの仲人さんだった。
「いえいえこぢらこそ、なんの力添えもでぎねえで」
「そのことなんですけど……」
仲人さんはうなずいて、不思議そうに私の顔を見た。
「十五年前のお見合いって、返事は男性側からしてもらうって、ご本人と約束したんですけど」
「あぁ、そうだったね。私もあちらの、冷泉の奥様からそう聞きました。珍しいごどだがらよぐ覚えでるよ」
「兄嫁から聞いたんですけど、一週間待っても返事が来なかったって……」
「あぁ、そうだったね、冷泉の奥様から毎日、もう少し待ってけさいって電話がかがって来て」
「どうして……返事が来なかったのかって分かりますか?」
「いや、うぢではわがんねえな」
「そうですか……」
「それを知りだいのが?」
「はい……」
「ずいぶん経ってんのに、変わったごどを言うなや」
「あぁ……確かにそうですね」
「んだども、詳しいことは、うぢではわがんねっちゃ」
一体、どういうことなんだろう……
「……そんなら、奥様に電話してみっか?」
「えっ、いいんですか?」
「あぁ、そごさ座ってちょっと待っててけさい」
「あぁ、和賀です。奥様いるべがね」
「……んだが、わがりました」
仲人さんは受話器を置いた。
「……どうでしたか?」
「奥様なぁ……」
私はある家の玄関のチャイムを押した。
『はい』
しばらくすると、年配の女性が玄関に姿を現した。
「どなだ様だったがね?」
「あの……月浦商店の長女のしずくです」
「あぁ、いつぞやの月浦さんのね」
「その節は大変お世話になりました」
出てきたのは、あのときのお見合いの仲人さんだった。
「いえいえこぢらこそ、なんの力添えもでぎねえで」
「そのことなんですけど……」
仲人さんはうなずいて、不思議そうに私の顔を見た。
「十五年前のお見合いって、返事は男性側からしてもらうって、ご本人と約束したんですけど」
「あぁ、そうだったね。私もあちらの、冷泉の奥様からそう聞きました。珍しいごどだがらよぐ覚えでるよ」
「兄嫁から聞いたんですけど、一週間待っても返事が来なかったって……」
「あぁ、そうだったね、冷泉の奥様から毎日、もう少し待ってけさいって電話がかがって来て」
「どうして……返事が来なかったのかって分かりますか?」
「いや、うぢではわがんねえな」
「そうですか……」
「それを知りだいのが?」
「はい……」
「ずいぶん経ってんのに、変わったごどを言うなや」
「あぁ……確かにそうですね」
「んだども、詳しいことは、うぢではわがんねっちゃ」
一体、どういうことなんだろう……
「……そんなら、奥様に電話してみっか?」
「えっ、いいんですか?」
「あぁ、そごさ座ってちょっと待っててけさい」
「あぁ、和賀です。奥様いるべがね」
「……んだが、わがりました」
仲人さんは受話器を置いた。
「……どうでしたか?」
「奥様なぁ……」