銀河の雫


あっという間に、終業のチャイムが鳴る。



「お疲れ」

「薫さんお疲れ、もう帰るの?」

「うん、今日は帰っていいって佐々木課長が」

「そっか……ちなみに何件終わったの?」

薫さんに体を向けて、顔を見上げた。

「四件稟議に上げた。一件は電話が繋がらなくて途中になっちゃったから」

「うわっ、早すぎ。私なんて、まだやっと二件終わったとこだよ」

「そっか、お疲れ。じゃあ先に帰るね」

「うんお疲れ」

振り向いて、薫さんに手を振った。



あと一件、なんとか終わらせよう。





執務室内は人もまばらになってきた。

斎藤さんが鞄を持って立ち上がった。

「あれ、月浦さん、まだ帰らないの?」

「はい、この案件だけ終わらせようと思いまして」

「そっか、まだ二日目なのに頑張るね、お疲れ様」

「お疲れさまでした」



「青山さん、もう自分の仕事は終わった?」

所長が青山さんに、大きな声で言った。

「あっ、はい、終わりました」

青山さんが目を輝かせ、立ち上がって嬉しそうに答える。



「そっか、じゃあ、もう上がって下さい」

「えっ、でも……まだ、月浦さんが……」

「私が見てますから大丈夫です」

「でも……」

「私の仕事ですので」

低いトーンで淡々と答えた。

「……分かりました。お疲れ様です」

「これからも、自分の仕事が終わったら帰っていただいて結構ですから」



青山さんは、所長を見つめる。




しばらく沈黙が続いた。
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