銀河の雫
「所長、こちらの案件、チェックお願いします」
「分かった、置いといて」
隣のグループの薫さんに目をやる。
『岩渕様の場合は、給付型奨学金をご利用されておりますので……』
声が大きくて丸聞こえだな。
しっかし、二日目とは思えないベテラン感。
「あの……斎藤さん、質問してもいいですか?」
「うん、いいよ」
「あっ斎藤さん、大丈夫です。私が教えますから」
「あぁ青山さん、じゃあお願いね」
わざわざ、立ち上がって来てくれる。
とてもありがたいんだけど……半面、なんだか心苦しいな。
「これはね、ここにチェック入れると……ほら、進めるでしょ」
モニターに顔を寄せた青山さんの髪の毛が、さらりと揺れた。
画面を差す指先に視線が行く。
清楚な淡いピンクベージュのネイル。
きっとネイルサロンに通ってるんだろうな。
思わず、爪を切っただけの荒れた手を引っ込めた。
「あっ、分かりました。どうもありがとうございます」
「職員さんはグレー案件をやっているから大変なんだ。だから私になんでも聞いて」
「そうなんですね、分かりました。すみませんがよろしくお願いします」