秘密を食むのは魅惑の唇
朝、ベッドの軋む音と微かな揺れで目が覚めた。
今日は土曜日。仕事に行かなくていい朝の空気は、それだけで特別だ。
無意識の内に、腕の中の千夏の存在を確かめる。変わらず華奢で愛おしい千夏の腰に腕を回したまま、離したくなくてぎゅっとホールドした。すると、千夏が小さく声を漏らして僕の胸元で身じろぎした。
(起こしちゃったかな)
まだ自分もうつらうつらしている中、千夏の指先が僕の睫毛の先端にそっと触れるのを感じた。その擽ったさに、ゆっくりと瞼を持ち上げる。
「…ちなつ……?」
思ったよりも舌が回らない。
視界がクリアになるにつれ、目の前に千夏の顔があることに気づく。寝起き特有のとろんとした視界の中で、真っ先に千夏の『唇』が目に飛び込んできた。
「おはよう、柊斗」
「おはよ…千夏。……ねえ、起きてすぐそんな風に見つめるの、ずるい」
心臓が朝からうるさく脈打ち始める。僕は照れ隠しにベッドにごろんと横たわり、そのまま勢いで千夏の上に覆いかぶさった。
「あははっ、朝から口説き文句だね。気に入ったし、ご褒美にキスしてあげようか?」
千夏の口から出た「ご褒美」という言葉に、僕の跳ね起きたばかりの脳が一気に覚醒する。
「えっ!?ほんと!?」
視線はもう、千夏の唇にロックオンされていた。
自分でも安直な脳をしていると思う。しっかり手綱を握られている気はするが、それはそれで悪い気はしないから静かにスルーする。
「どうしよっかな〜」
「いじわる~。キスさせてよ~~」
自分で言いながら子どもみたいだと思ったけれど、今更全てを知られている千夏の前では格好なんてつけていられない。千夏は楽しそうに笑って、僕を受け入れてくれる。
「仕方ないな~。でも、先に言っておくけど目は閉じないからね」
「いいよぉ」
僕は苦笑しながら、千夏の柔らかい頬を両手で包み込んだ。
もう「目を閉じて」なんて言わない。千夏が僕の目を愛してくれるように、僕は千夏のこの綺麗な唇を、世界で1番愛しているから。
朝の光の中で、再び唇を重ね合わせる。
僕の唇を受け止める千夏の柔らかい感触と、僕をどこまでも深く見つめる彼女の瞳。
今日1日、この幸せな世界は誰にも邪魔されない。僕は大好きな千夏の唇を何度も食みながら、最高の土曜日の始まりを全身で噛み締めていた。
今日は土曜日。仕事に行かなくていい朝の空気は、それだけで特別だ。
無意識の内に、腕の中の千夏の存在を確かめる。変わらず華奢で愛おしい千夏の腰に腕を回したまま、離したくなくてぎゅっとホールドした。すると、千夏が小さく声を漏らして僕の胸元で身じろぎした。
(起こしちゃったかな)
まだ自分もうつらうつらしている中、千夏の指先が僕の睫毛の先端にそっと触れるのを感じた。その擽ったさに、ゆっくりと瞼を持ち上げる。
「…ちなつ……?」
思ったよりも舌が回らない。
視界がクリアになるにつれ、目の前に千夏の顔があることに気づく。寝起き特有のとろんとした視界の中で、真っ先に千夏の『唇』が目に飛び込んできた。
「おはよう、柊斗」
「おはよ…千夏。……ねえ、起きてすぐそんな風に見つめるの、ずるい」
心臓が朝からうるさく脈打ち始める。僕は照れ隠しにベッドにごろんと横たわり、そのまま勢いで千夏の上に覆いかぶさった。
「あははっ、朝から口説き文句だね。気に入ったし、ご褒美にキスしてあげようか?」
千夏の口から出た「ご褒美」という言葉に、僕の跳ね起きたばかりの脳が一気に覚醒する。
「えっ!?ほんと!?」
視線はもう、千夏の唇にロックオンされていた。
自分でも安直な脳をしていると思う。しっかり手綱を握られている気はするが、それはそれで悪い気はしないから静かにスルーする。
「どうしよっかな〜」
「いじわる~。キスさせてよ~~」
自分で言いながら子どもみたいだと思ったけれど、今更全てを知られている千夏の前では格好なんてつけていられない。千夏は楽しそうに笑って、僕を受け入れてくれる。
「仕方ないな~。でも、先に言っておくけど目は閉じないからね」
「いいよぉ」
僕は苦笑しながら、千夏の柔らかい頬を両手で包み込んだ。
もう「目を閉じて」なんて言わない。千夏が僕の目を愛してくれるように、僕は千夏のこの綺麗な唇を、世界で1番愛しているから。
朝の光の中で、再び唇を重ね合わせる。
僕の唇を受け止める千夏の柔らかい感触と、僕をどこまでも深く見つめる彼女の瞳。
今日1日、この幸せな世界は誰にも邪魔されない。僕は大好きな千夏の唇を何度も食みながら、最高の土曜日の始まりを全身で噛み締めていた。


