彼は子猫を溺愛している
「行ってきます、俺の子猫ちゃん」
 彼は私の頭を撫でて、部屋を出ていく。

 今日も仕事だ。仕方ない。そう思うけど、さみしくて仕方がない。
 私が楽しめるようにテレビをつけてくれるけど、なんの慰めにもならない。

 私と彼の出会いは、街中の路上だった。
「行くところないの? じゃあうちにおいでよ」

 彼は私を連れて帰り、お風呂に入れてくれた。
 彼が食べさせてくれたごはんを、私はむさぼるように食べた。

 よくこんな私に声をかけたと思う。薄汚れて汚くて。
 はじめは遠慮していた私だけど、いつしか彼に愛されて、そのまま一緒に暮らすようになった。

 毎晩、ベッドで彼に抱きしめられて寝る。
 すごく愛されている気がする。

 監禁されて、もう二度と外に出られないとしても。

 愛されているから、それでいい。
 そう思ってたのに。
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