【恋愛×サスペンスホラー】イケメン年下後輩くんは、私の耳を溺愛する
 好意に気づいていても、告白は怖かったのだろう。もし錯覚だったら……そんな恐怖はあったと思う。
 それでも勇気を出してくれたんだ。そう思うと、胸が甘くしめつけられる。

「こちらこそお願いします」

 私が答えると、彼はがばっと顔を上げる。
 その目は喜びにきらきらと輝いていた。



 駅で別れて電車に乗ったあとも、気持ちはふわふわしていた。
 だって、仕方ないじゃない。あきらめていた恋が、急展開で実ったんだから。

 最寄り駅で降りて鼻歌を歌いながら歩いていると、後ろから足音が聞こえた。

 やば、聞かれた。恥ずかしい。
 気づいたあとは、ついついその人の存在を気にしていたのだけど。

 ……ずっとついてきてない?
 私はとっさにコンビニに寄る。と、後ろを歩いていたらしき男性はコンビニの前まで来たのに、引き返していった。

 どういうこと……?
 私の背がぞくっと震えた。

 コンビニに行こうとしたけど、やっぱりやめた。
 そんなこと、普通にある。だけど……。

 私は不安をぬぐい切れなくて、タクシーを呼んだ。
 乗り込んだあと、事情を話してぐるっとひとまわりしてもらってから、ひとり暮らしのアパートに帰る。

 誰にもつけられていないことを確認して玄関に入り、すぐに鍵を閉めた。
 勘違い……だよね?

 脳裏には『外耳切断連続殺人事件』が浮かび、消えてくれなかった。
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