【恋愛×サスペンスホラー】イケメン年下後輩くんは、私の耳を溺愛する
「前に話したことあると思うけど、私って両親が亡くなって兄弟姉妹もいないから、なにかあっても誰にも気づいてもらえない気がして……だからちゃんと自衛するから大丈夫」
「限界がありますよね。どうあがいても男性より女性のほうが弱いし……」

 直後、彼は閃いた、というように顔を輝かせた。
「だったら俺と一緒に暮らしましょう! もちろん、結婚前提です!」

 私は唖然とした。昨日の今日で、もう結婚!?

 はっとした彼は、照れたようにうつむいた。
「すみません。すぐ暴走しっちゃって……」

 それから、決然と顔を上げる。
「だけど思い付きじゃないです。先輩はお年頃で結婚も視野にはいってるはず。だから結婚相手として見てもらえるようにって頑張ってたんですよ」

「伊原くん……!」
 私は思わず両手で自分の口を押えた。

「これからはプライベートでは斗真って呼んでほしいな。俺も、唯楓(ゆいか)さんって呼んでいい?」
 照れながら言う彼に、胸が甘く震える。

「もちろん、いいよ」
 私もまた照れながら彼に答えた。



 仕事を定時で終えると、私は帰路についた。

 伊原くん……斗真くんは俺が送るから待っててって言ってくれたけど、あんまり甘えたくない。
 気持ちはすごく嬉しい。だけど、一度甘えるとずるずる甘えてしまいそうで。

 お店で防犯ベルを買い、家路をたどる。
 最寄り駅からまた自分の後をつけてくる人に気が付いた。
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