きみがすきなもの、ぼくがすきなもの。
第7話:あふれだす本音
「ねえ、ここで少し休まない?」
いつもより口数が少ない加奈を気遣い、貫太が小さな川沿いのカフェに誘った。
席につき、温かいココアが運ばれてきても、加奈はカップを見つめたまま口を開かない。
「加奈ちゃん……。何か怒ってる? それとも、僕が何か変なことしちゃったかな」
貫太の切なそうな声を聞いて、加奈の中で張り詰めていた糸がプツリと切れた。
「怒ってないの……怒ってないけどさ……」
加奈は顔を上げ、潤んだ瞳で貫太を見つめた。
「この前、大学で貫太くんを見かけたんだ。サークルの友達の前で、すごく『普通の男の子』として振る舞ってる貫太くんを……」
貫太の表情がサッと凍りついた。
「それを見てたら、なんだか苦しくなっちゃって。私の前で見せてくれる貫太くんの本当の姿は、私だけの秘密じゃなくて、ただ隠してるだけなのかなって……。ごめん、私、変なこと言ってるよね。友達のくせに、こんなこと言う資格ないのに」
震える声でそう吐き出した加奈の手を、貫太が突然、強く握りしめた。
顔を上げると、貫太の目にも涙がたまっていた。
「違うよ、加奈ちゃん……!」
震える声で、貫太は首を横に振った。
「違うんだ。僕は、隠してるつもりなんてない……けど、怖かったんだ。男らしくない自分がバレたら嫌われるんじゃないかって、ずっと思ってた。でもね、加奈ちゃんの前だけは、初めて『本当の僕』でいられた。だから……僕にとって加奈ちゃんは、ただの友達なんかじゃない」
貫太は一度大きく息を吸い、真っ直ぐに加奈の目を見つめた。
「ずっと言いたかったんだ。男っぽい趣味をこんなに楽しそうに語って、僕の作ったお菓子を『美味しい』って笑って食べてくれる君のことが、僕は好きだ。友達じゃなくて、恋人として、ずっと隣にいたいんだよ」
カフェの窓の外で、冷たい冬の風が木々を揺らしていた。
けれど、ふたりの繋いだ手からは、驚くほど温かい熱が伝わっていた。
「……私も、だよ」
加奈は涙を拭いながら、ようやく満面の笑みを浮かべた。
「私も、貫太くんのことが好き。男とか女とか関係なく、貫太くんという人間が、たまらなく好き」
いつもより口数が少ない加奈を気遣い、貫太が小さな川沿いのカフェに誘った。
席につき、温かいココアが運ばれてきても、加奈はカップを見つめたまま口を開かない。
「加奈ちゃん……。何か怒ってる? それとも、僕が何か変なことしちゃったかな」
貫太の切なそうな声を聞いて、加奈の中で張り詰めていた糸がプツリと切れた。
「怒ってないの……怒ってないけどさ……」
加奈は顔を上げ、潤んだ瞳で貫太を見つめた。
「この前、大学で貫太くんを見かけたんだ。サークルの友達の前で、すごく『普通の男の子』として振る舞ってる貫太くんを……」
貫太の表情がサッと凍りついた。
「それを見てたら、なんだか苦しくなっちゃって。私の前で見せてくれる貫太くんの本当の姿は、私だけの秘密じゃなくて、ただ隠してるだけなのかなって……。ごめん、私、変なこと言ってるよね。友達のくせに、こんなこと言う資格ないのに」
震える声でそう吐き出した加奈の手を、貫太が突然、強く握りしめた。
顔を上げると、貫太の目にも涙がたまっていた。
「違うよ、加奈ちゃん……!」
震える声で、貫太は首を横に振った。
「違うんだ。僕は、隠してるつもりなんてない……けど、怖かったんだ。男らしくない自分がバレたら嫌われるんじゃないかって、ずっと思ってた。でもね、加奈ちゃんの前だけは、初めて『本当の僕』でいられた。だから……僕にとって加奈ちゃんは、ただの友達なんかじゃない」
貫太は一度大きく息を吸い、真っ直ぐに加奈の目を見つめた。
「ずっと言いたかったんだ。男っぽい趣味をこんなに楽しそうに語って、僕の作ったお菓子を『美味しい』って笑って食べてくれる君のことが、僕は好きだ。友達じゃなくて、恋人として、ずっと隣にいたいんだよ」
カフェの窓の外で、冷たい冬の風が木々を揺らしていた。
けれど、ふたりの繋いだ手からは、驚くほど温かい熱が伝わっていた。
「……私も、だよ」
加奈は涙を拭いながら、ようやく満面の笑みを浮かべた。
「私も、貫太くんのことが好き。男とか女とか関係なく、貫太くんという人間が、たまらなく好き」