アスタリスクの救済

出逢い

 


  「ごめん蓮見さん、このプリント運んでくれる?」

   

   げ、と思った。私は誰よりも頼みやすいのだろう。

   

   文句も言わないし、きっと嫌な顔もしていない。



   曖昧に頷いてから、それを手渡された。



  「これ、どこに持っていけばいいですか」



  「職員室で! ごめんね、先生今ここ去れなくて」



  「いえ。大丈夫です。運んできますね」



   教室の扉をくぐった瞬間、ムッとするような熱気に包まれた。



   まだ四月なのに、こんなに暑いなんて。



   地球温暖化が進んでいることを、一歩床を踏みしめるだけで感じさせられる。



< 4 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop