アスタリスクの救済
 「失礼します。二年二組の蓮見です。プリント持ってきました」



  機械のように、言葉たちを連ねる。



  私の人生はそういう事が多かった。



  楽しいことも特に無いし、小説でよくある激情なんて秘めてすらいない。



  

  ずっとそう思っていたのに、それは一瞬にして塗り替えられた。





  無事に用事を済ましてから、浅く息を吐く。一見すると溜息のように聞こえたかもしれない、と少しだけ焦った。



 「失礼しまーす。サッカー部顧問の橋本先生いらっしゃいますか」



  サッカー。サッカー……。
< 5 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop