アスタリスクの救済
「あ、ありがとうございます。失礼しました」
礼儀正しい人だ、というのが第一印象だった。目なんて合わせたくなかったから、すぐにその場を立ち去る。
それもあったけれど、今まで感じたことがない胸騒ぎが確かにそこにあった。
「……あ! 蓮見さんじゃん。何してんの、ここで」
「いや、特に、何も……。先生にプリント頼まれただけで」
あれ、どうして返事をしてしまったのだろうか? 無視してその場を去っていたら、そうしていたら、……。
「そっか。ごめん、意味ないことで呼び止めちゃった」
「ううん、大丈夫」
この先ずっと、彼に執着することになるなんて、私はまだ知らなかった。