キスから始まる恋は甘くて苦い
Scene39 出逢う前から
玄関を出ると湿った風がほたるの髪を小さく揺らした。犬の鳴き声がして振り向くと、自転車に乗った蒼一が目の前までやってきた。
「おはよう」
「おはようございます。時間ぴったりですね」
「……ああ」
明るい笑顔に蒼一の表情がやわらいだ。
「自転車ここに停めていい?」
「えっ? はい」
自転車を駐車場の隅に停めて振り返るとほたるは不思議そうな顔をしていた。
「一緒に歩いて行きたいから」
蒼一が手を差し出してきてハッとする。ほたるは反射的にその左手を握りしめた。
「ご近所さんに見られたら恥ずかしいです」
指を絡められ恋人つなぎになってしまった。悪いことをしているわけではないのに視線が下を向いていく。
「そのうち慣れるよ」
「……蒼一さんは慣れてるんですね」
なんだかんだ経験はありそうでほたるはむくれた。
「そういう風に見える?」
苦笑する蒼一にほたるは首を傾げた。
「見えますよ。蒼一さんの気持ちを知ったら、今までよりもドキドキしちゃって……私ばっかり余裕がないみたい」
「そんなことねえし。見えないかもしんねえけど、俺だって緊張してるよ」
手に力が込められてほたるは隣を見上げた。蒼一は無自覚に綺麗な微笑みを浮かべた。
「おはよう」
「おはようございます。時間ぴったりですね」
「……ああ」
明るい笑顔に蒼一の表情がやわらいだ。
「自転車ここに停めていい?」
「えっ? はい」
自転車を駐車場の隅に停めて振り返るとほたるは不思議そうな顔をしていた。
「一緒に歩いて行きたいから」
蒼一が手を差し出してきてハッとする。ほたるは反射的にその左手を握りしめた。
「ご近所さんに見られたら恥ずかしいです」
指を絡められ恋人つなぎになってしまった。悪いことをしているわけではないのに視線が下を向いていく。
「そのうち慣れるよ」
「……蒼一さんは慣れてるんですね」
なんだかんだ経験はありそうでほたるはむくれた。
「そういう風に見える?」
苦笑する蒼一にほたるは首を傾げた。
「見えますよ。蒼一さんの気持ちを知ったら、今までよりもドキドキしちゃって……私ばっかり余裕がないみたい」
「そんなことねえし。見えないかもしんねえけど、俺だって緊張してるよ」
手に力が込められてほたるは隣を見上げた。蒼一は無自覚に綺麗な微笑みを浮かべた。