恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで


「あの」


言い争いが止まり、イザベラとユリウスの視線がジョシュアに向けられる。

物言いたげな表情に、イザベラはまたやってしまったと頭を抱えたくなった。

隣にジョシュアがいるというのに、存在を忘れてユリウスと言い争いを始めてしまうなど、本当に失礼すぎる。

慌てて謝ろうとするも、ジョシュアが先に口を開く。


「先ほどから聞いていたのですが、彼女に対して少しキツくありませんか?」


普段のジョシュアから発せられないような低くて、厳しい口調だった。

まさか矛先がユリウスに向けられると思っておらず唖然とするイザベラだったが、すぐにユリウスに視線を移す。

ユリウスはユリウスでジョシュアに対し、氷みたいな目で冷やかな視線を送っている。


「わたしが、自分の助手にどう接していようが、 貴様には関係ないだろ」


明らかに気を害したのか、こちらもだいぶ声が強張っている。

いつの間にか険悪な雰囲気になっている長身二人に板挟みになってしまったイザベラは二人の顔を交互に見る。


「関係ありませんが、あまりにも酷いので看過できませんでした」

「関係ないなら、首を突っ込むな。鬱陶しい」


これ以上、激化したら抑え込む自信がないので無理やりにでも止めようと、とりあえずユリウスの口を塞ごうとしたイザベラは手を上げようとする。


「しかも、先ほどからお前、お前と...、上司なら彼女の名前をご存知ではないのですか?」


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