恋を知らない天才魔術師が、惚れ薬を作るまで
いったい何のことかわからないイザベラは首を傾げながらユリウスを見る。
ユリウスもよくわかっていないのか不思議そうに去っていくジョシュアの背中を眺めている。
「...なんだ、あいつは。わたしが、あいつに体術で適うはずなかろうが」
確かにとユリウスの言葉に頷いたイザベラの脳内に一瞬にしてジョシュアにねじ伏せられるユリウスの姿を想像してしまった。
そのことに気付かれたのかユリウスが鋭い眼差しで睨んでくる。
ベンチから立ち上がったユリウスが近付いてくるので、また頬をつねられるかもしれないとイザベラは咄嗟に頬を手で庇う。
けれども、ユリウスはイザベラをじっと見下ろすだけである。
「...わたしの名を、呼んでみろ」
「へっ...?ユリウス、先生?」
「もう一度」
「ユリウス・フローベル先生!!」