先輩、好きになってください
私、気づいちゃったかも
体育祭が終わって数日。
昼休み。
綾花は友達と話しながら廊下を歩いていた。
「……あれ?」
ふと、足が止まる。
無意識に、教室の中を見渡していた。
「……いない」
「綾花?」
「え?」
友達に呼ばれて、綾花は振り返る。
「どうしたの?」
「ううん、なんでもない」
そう言って歩き出す。
けれど。
また少しすると、別の教室を覗いてしまう。
「……」
――何してるんだろ、私。
日向くんを探してる?
そう思った瞬間、少しだけ頬が熱くなる。
「……違うし」
小さく呟いた。
そのとき。
「先輩?」
「……!」
後ろから声がした。
振り返ると、日向が立っていた。
「日向くん」
「何してるんですか?」
「えっと……」
綾花は慌てて目を逸らす。
「友達探してたの」
「へえ」
日向が少し笑う。
「俺のことじゃなくて?」
「ち、違うよ!」
「ふふっ」
「もう、日向くん!」
日向は楽しそうに笑った。
「じゃあ、また後で」
「うん」
日向が去っていく。
綾花はその背中を見つめる。
「……」
――やっぱり。
なんでだろう。
日向くんを見つけると、ちょっと嬉しい。
*
放課後。
スマホを見ると、体育祭の写真がクラスのグループに送られてきていた。
「わ……」
写真を眺めていると。
そこに一枚。
借り物競走の写真だった。
日向が綾花の手を引いて、二人でゴールへ向かっている。
「……これ」
思わず画面を拡大する。
自分でも分かるくらい、顔が赤い。
「……恥ずかしい」
そのとき。
スマホが震えた。
日向くん
『先輩、体育祭の写真見ました?』
「……!」
すぐに返信する。
綾花
『見たよ!』
少しして。
日向くん
『あの写真、俺持ってます』
綾花
『ほんと?』
日向くん
『送ります?』
綾花
『ほしい!』
写真が送られてくる。
画面には、体育祭の日の二人。
綾花
『ありがとう!』
日向くん
『いえいえ』
少し間が空く。
そして。
日向くん
『先輩、あの日のことまだ恥ずかしいですか?』
綾花は少し考える。
綾花
『ちょっとだけ笑』
日向くん
『俺は結構好きですけど』
「……」
綾花の手が止まる。
綾花
『またそういうこと言う笑』
日向くん
『本当のことなんで』
まただ。
いつもの日向くん。
いつもの言葉。
なのに。
今日は、なんだか少しだけ違って聞こえた。
綾花はスマホを見つめたまま、そっと笑う。
綾花
『……ありがとう、日向くん』
送信。
するとすぐに。
日向くん
『名前で呼ばれるの、やっぱ嬉しいです』
綾花は画面を見ながら、また頬が熱くなるのを感じた。
――最近。
気づけば私は。
日向くんのことを考えている。
昼休み。
綾花は友達と話しながら廊下を歩いていた。
「……あれ?」
ふと、足が止まる。
無意識に、教室の中を見渡していた。
「……いない」
「綾花?」
「え?」
友達に呼ばれて、綾花は振り返る。
「どうしたの?」
「ううん、なんでもない」
そう言って歩き出す。
けれど。
また少しすると、別の教室を覗いてしまう。
「……」
――何してるんだろ、私。
日向くんを探してる?
そう思った瞬間、少しだけ頬が熱くなる。
「……違うし」
小さく呟いた。
そのとき。
「先輩?」
「……!」
後ろから声がした。
振り返ると、日向が立っていた。
「日向くん」
「何してるんですか?」
「えっと……」
綾花は慌てて目を逸らす。
「友達探してたの」
「へえ」
日向が少し笑う。
「俺のことじゃなくて?」
「ち、違うよ!」
「ふふっ」
「もう、日向くん!」
日向は楽しそうに笑った。
「じゃあ、また後で」
「うん」
日向が去っていく。
綾花はその背中を見つめる。
「……」
――やっぱり。
なんでだろう。
日向くんを見つけると、ちょっと嬉しい。
*
放課後。
スマホを見ると、体育祭の写真がクラスのグループに送られてきていた。
「わ……」
写真を眺めていると。
そこに一枚。
借り物競走の写真だった。
日向が綾花の手を引いて、二人でゴールへ向かっている。
「……これ」
思わず画面を拡大する。
自分でも分かるくらい、顔が赤い。
「……恥ずかしい」
そのとき。
スマホが震えた。
日向くん
『先輩、体育祭の写真見ました?』
「……!」
すぐに返信する。
綾花
『見たよ!』
少しして。
日向くん
『あの写真、俺持ってます』
綾花
『ほんと?』
日向くん
『送ります?』
綾花
『ほしい!』
写真が送られてくる。
画面には、体育祭の日の二人。
綾花
『ありがとう!』
日向くん
『いえいえ』
少し間が空く。
そして。
日向くん
『先輩、あの日のことまだ恥ずかしいですか?』
綾花は少し考える。
綾花
『ちょっとだけ笑』
日向くん
『俺は結構好きですけど』
「……」
綾花の手が止まる。
綾花
『またそういうこと言う笑』
日向くん
『本当のことなんで』
まただ。
いつもの日向くん。
いつもの言葉。
なのに。
今日は、なんだか少しだけ違って聞こえた。
綾花はスマホを見つめたまま、そっと笑う。
綾花
『……ありがとう、日向くん』
送信。
するとすぐに。
日向くん
『名前で呼ばれるの、やっぱ嬉しいです』
綾花は画面を見ながら、また頬が熱くなるのを感じた。
――最近。
気づけば私は。
日向くんのことを考えている。