先輩、好きになってください
最終章
もう先輩じゃない
昼休み。
綾花と凛花が廊下を歩いていると、後ろから声がした。
「綾花先輩」
「……?」
綾花が振り返る。
「日向くん」
日向が少し照れたように笑っている。
「今日、放課後一緒に帰りません?」
「うん、いいよ」
綾花が笑う。
「じゃあ、部活終わったら待ってます」
「分かった」
「……」
日向がそのまま戻ろうとする。
「日向くん」
「はい?」
「……先輩?」
「……あ」
日向が固まる。
綾花が少し首を傾げる。
「昨日、もう先輩って呼ばないって言ってなかった?」
「……言いました」
「ふふっ」
綾花が笑う。
「忘れてた?」
「いや、違うんです」
日向が少し照れながら頭をかく。
「ずっとそう呼んでたから、癖で……」
「そっか」
「……じゃあ」
日向が綾花を見る。
少しだけ恥ずかしそうに。
「綾花ちゃん」
「……!」
綾花の頬が赤くなる。
「……うん」
「じゃあ、放課後ね。綾花ちゃん」
「うん、日向くん」
日向が笑って去っていく。
その瞬間。
「…………」
凛花が綾花を見る。
「……何?」
「いや」
凛花がニヤッとする。
「今の、めっちゃよかったね?」
「……もう、りん!」
「顔赤いよ?」
「赤くない!」
「はいはい笑」
その少し後。
圭が日向に追いつく。
「おい、日向」
「ん?」
「今、綾花先輩のこと『綾花ちゃん』って呼んだ?」
「……うん」
「へえ」
圭がニヤニヤする。
「で、先輩って呼んじゃって訂正された?」
「……なんで分かるんだよ」
「顔に書いてある」
「うるさい笑」
二人は笑いながら歩いていく。
――昨日まで。
「先輩」と「後輩」だった二人。
今日からは。
少しだけ違う呼び方。
それだけなのに。
二人の距離は、確かに近くなっていた。
綾花と凛花が廊下を歩いていると、後ろから声がした。
「綾花先輩」
「……?」
綾花が振り返る。
「日向くん」
日向が少し照れたように笑っている。
「今日、放課後一緒に帰りません?」
「うん、いいよ」
綾花が笑う。
「じゃあ、部活終わったら待ってます」
「分かった」
「……」
日向がそのまま戻ろうとする。
「日向くん」
「はい?」
「……先輩?」
「……あ」
日向が固まる。
綾花が少し首を傾げる。
「昨日、もう先輩って呼ばないって言ってなかった?」
「……言いました」
「ふふっ」
綾花が笑う。
「忘れてた?」
「いや、違うんです」
日向が少し照れながら頭をかく。
「ずっとそう呼んでたから、癖で……」
「そっか」
「……じゃあ」
日向が綾花を見る。
少しだけ恥ずかしそうに。
「綾花ちゃん」
「……!」
綾花の頬が赤くなる。
「……うん」
「じゃあ、放課後ね。綾花ちゃん」
「うん、日向くん」
日向が笑って去っていく。
その瞬間。
「…………」
凛花が綾花を見る。
「……何?」
「いや」
凛花がニヤッとする。
「今の、めっちゃよかったね?」
「……もう、りん!」
「顔赤いよ?」
「赤くない!」
「はいはい笑」
その少し後。
圭が日向に追いつく。
「おい、日向」
「ん?」
「今、綾花先輩のこと『綾花ちゃん』って呼んだ?」
「……うん」
「へえ」
圭がニヤニヤする。
「で、先輩って呼んじゃって訂正された?」
「……なんで分かるんだよ」
「顔に書いてある」
「うるさい笑」
二人は笑いながら歩いていく。
――昨日まで。
「先輩」と「後輩」だった二人。
今日からは。
少しだけ違う呼び方。
それだけなのに。
二人の距離は、確かに近くなっていた。