通りすがりの俺様
「高額な鉄道模型。
高額な自転車。
……さては、お前がもらったのは、高額なミニカーだな」
帰りの車で、一鷹がそんな推理をはじめる。
「いやあの、訊いてくだされば、水内さんには教えますよ」
「なんでだ。
愛があるからか」
愛がないと教えてはいけないのなら、教えません。
「じゃあ、教えろ」
「嫌です。
教えません」
教えたら、愛があることになってしまうではないですか、と思いながら、視線をそらし、窓の外を見たいずるは、あっと叫んで指差す。
「例えば、あれですっ、つづらの中身っ」
「例えば、どれだっ!?」
「あるいは、これですっ!」
「だから、どれだっ。
振り向けるかっ、運転中だーっ」
と一鷹に叫ばれる。