通りすがりの俺様



「せめて、パーソナリティーとハガキ職人くらいの関係になれ」

「……今も、ハガキ職人って言うんですか?」

 今はメールとかでは?
と一鷹が兄に訊いている。

 すっかり空になったケーキの皿を見ながら、いずるは呟いた。

「……私がみなさんにつづらの中身を言うのが嫌なのは、それを知って、相手が豹変してしまうのが嫌なのかもしれません」

「そうだな。
 一鷹、気をつけろよ。

 すごいお宝でも目の色変えたりするなよ」
と兄は一鷹に忠告しているが、

 いや、あなたはもう豹変しています、
といずるは思っていた。

「ちょっと外に出ましょうか」
といずるは二人を誘う。

 


< 150 / 307 >

この作品をシェア

pagetop