通りすがりの俺様
「そうですね……。

 俺もいろいろ考えるのはやめようっ。

 ――いずる、結婚してくれっ」

 えっ? といずるが戸惑ったようにこちらを見る。

 後ろから、ガッと運転席をつかんで、兄が言ってきた。

「なんで、今、言った?
 なあ、なんで、今、言ったっ!?」

 二回訊かれた……。

「今のタイミングで言ったら、完全な金目当てだろっ?」

「いやいや、今後のことを熟考したからです。
 あと、そんな端金(はしたがね)には興味ありません」

 それはそれでムカつくっ。
 お前を義弟だとは認めないからな~っ! と叫ばれる。

 ちなみに、義弟だと認められない理由は、自分が年長者ぶっておごれないから、ということだった。




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