通りすがりの俺様
「まあ、この家、カーテン閉めても、外から丸見えなんで、中でゴソゴソしてたら、大体、どの位置かわかりますよね」
 
「雨戸は?」

「建て付けが悪いので、あまり閉めたことないです」

「電気消したらいいんじゃない?」
と矢端が言った。

 そうだな、と一鷹が電気を消す。

 真っ暗になった。

 泥棒がいた頃と違い、日は完全に落ちている。

「……何も見えないじゃないか」

 街灯はここから遠い。

 月明かりもない。

 近くの家の灯りで、ぼんやり中が見える程度だった。

「身動きがとれないな。
 スマホか蝋燭の灯りで……」
と言い出す一鷹に、

「光が移動したら、逆に丸見えじゃない」
と矢端が言う。

 三人はお互いの居所を確かめるように、手をつなぎ合っていた。

「……なにか怪しい儀式でもやってるみたい」
と矢端が呟く。

 確かに……。

 いい大人三人が暗闇で手をつないで、じっとしているのは妙だ。

 降霊会か、悪魔でも呼び出しているのかという感じだ。
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