通りすがりの俺様
「まあ、なんだ。
 このままこうしていてもしょうがないし。

 ここは物騒だから、うちに来るか、いずる」

「えっ?」

「大丈夫だ。
 心配するな。

 親たちもいる」

「……それ、絶対に行きたくないよ、たぶん」
と矢端が代弁してくれる。

「なんだ、俺と二人きりがよかったのか」

「鳴沢さん、うち、来る?」
と今度は矢端が言い出した。

「僕は一人暮らしだよ。
 僕を物騒だと思うのなら、秀でも呼ぶよ」

 ……物騒さが二倍って感じなんですけど。

「僕なら、財産目当てでもないし」

「なにを言うっ。
 俺だって財産目当てじゃないぞっ」
と二人は揉めはじめた。

 


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