通りすがりの俺様
「そうかと思えば、社食の定食にいつもついてるゼリーの話をみんながしてたみたいなのに、鳴沢さんがいきなり、

『イケメンで思い出したんだけどさ』
 って突然言い出して。

 今、何処からイケメンが湧いてきたっ! って思ったり――」

 いやだからそれは、斜め前に矢端さんがいて、ちょうど視界に入ったからですよ。

 だが、そこで、矢端は、ハッとしたように言った。

「僕、すごく鳴沢さんの話聞いてるし、覚えてるしっ。
 彼女に目を奪われてますねっ。

 もしや、初めての恋なんですかね?」

「違うだろう」
と兄は冷静に言っていた。

 



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