通りすがりの俺様
 


 とりあえず今日は、近くのビジネスホテルに泊まることになった。

「俺が隣の部屋に泊まる」
「僕が前の部屋に泊まるよ」
「俺は何処に泊まったらいい?」

 ……全員、家に帰ったらいいのではないでしょうか。

 結局、みんな泊まり、いずるの部屋で呑み直した。

「でも、そもそも、うちの家。
 知らない間に人に入られてる気がするんですよ」

 いつかのトイレットペーパーの件といい、といずるは言う。

 あのトイレットペーパー、使い切ったのは、兄ではなかった。

 両親も知らないと言っていた。

「けど、みんな自分が使い切って忘れてるのかもしれませんし」

「いや、それはないと思う」
と真顔で兄は言う。

「自分のところでトイレットペーパーが切れそうとか、そんな衝撃的なこと忘れるわけないだろうが」

 そんなに衝撃的ですか?

「外のトイレで替えがなかったら、大変じゃないか」

 あれはうちのトイレで、替えはありましたよ。

「それにしても、その狭い土地が何億で買い取られるのか知らないが。
 欲しがってるやつは何人だ。

 幾らかなら金配ってやってもいいぞ。
 そいつらが静かになるのなら」
と一鷹が言い出す。

 お金持ちの解決法、怖いな……。
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