通りすがりの俺様
昼休みの終わり。
なんかあんなこと言われると、家帰るの、緊張しちゃうな~と思いながら、いずるが職場の外廊下を歩いていると、網代木と晴菜の部署の先輩、高石有沙がいた。
なにかの受け渡しをしているようだが。
何故か緊迫した雰囲気だった。
「ありがとうございます。
面白かったです」
「そう?
よかった。
またなにか貸しましょうか」
「いえ、いいです。
今、忙しくて、本読む暇、あまりないから」
「じゃあ、DVDでもどう?」
……高石さんが網代木さんに無理やりなにかを貸そうとしている。
すったもんだの末、
「そう。
じゃあ、また今度ね。
ありがとう」
と茶髪のサラサラロングヘアをなびかせ、有沙は去っていく。
ホッとしたように網代木は紙袋を手に歩いていく有沙の後ろ姿を見ていた。
「お疲れ様です。
どうかしたんですか?」
といずるは網代木に訊いてみた。