通りすがりの俺様
「とりあえず、お兄さんの彼女は怪しいよ」
と秀が小器用にじゃがいもをむきながら言う。
あっ、また、そんなこと言ってっ、と兄が反論したとき、
「誰だったの?」
と矢端が訊いてきた。
「うちの会社の人?」
さすが矢端さん、鋭いな、といずるは思う。
「だから、解放してもらったんじゃない?」
「待て待て待て、俺にも推理させろ」
と一鷹が割り込んでくる。
「誰だろうな。
満? 網代木? 小野寺か」
適当に次々言ってますよね……。
そして、犯人を外しています。
そこで、唐突に秀がむかれた野菜を見ながら言った。
「これ全部鍋に入れて、急いで、早くっ」
「鍋に入れると、犯人がわかるのか?」
と一鷹が言い出す。
「違うよ、煮詰まるからだよ。
部屋にホワイトボードがあるの、思い出した。
持ってくるから、みんな犯人当て、待っててっ」
ドラマのように、犯人の名前とか相関図とか書き出したいらしい。
急いで部屋に戻っていった秀だったが、そのまま戻っては来なかった。
おでんの鍋だけが、ぐつぐつに煮え続ける。
と秀が小器用にじゃがいもをむきながら言う。
あっ、また、そんなこと言ってっ、と兄が反論したとき、
「誰だったの?」
と矢端が訊いてきた。
「うちの会社の人?」
さすが矢端さん、鋭いな、といずるは思う。
「だから、解放してもらったんじゃない?」
「待て待て待て、俺にも推理させろ」
と一鷹が割り込んでくる。
「誰だろうな。
満? 網代木? 小野寺か」
適当に次々言ってますよね……。
そして、犯人を外しています。
そこで、唐突に秀がむかれた野菜を見ながら言った。
「これ全部鍋に入れて、急いで、早くっ」
「鍋に入れると、犯人がわかるのか?」
と一鷹が言い出す。
「違うよ、煮詰まるからだよ。
部屋にホワイトボードがあるの、思い出した。
持ってくるから、みんな犯人当て、待っててっ」
ドラマのように、犯人の名前とか相関図とか書き出したいらしい。
急いで部屋に戻っていった秀だったが、そのまま戻っては来なかった。
おでんの鍋だけが、ぐつぐつに煮え続ける。