通りすがりの俺様


「例の取り締まりで隠れてるパトカー、ほんとうに役に立ったんだな」
「はい、ありがたかったです」

 犯人が誰かはまだ言うな、と言われたので、いずるはあのパトカーに助けてもらった話だけをした。

「ところで、秀、遅くないか?」

「そうだねえ。
 ホワイトボードってデッカイのだったのかな?

 手伝いに行こうか」

 一鷹と矢端がそんな話をし、全員で秀の部屋に行ってみたが、いなかった。

「おかしいな」
と言う矢端の後について、みんなで秀を探す。

 矢端が一番、秀の行動パターンを知ってそうだったからだ。

「おい、秀~」
と言いながら、広い屋敷の中を歩いていたが、返事はない。

「このエリア、入ったことないですね」
といずるが言うと、矢端が、

「改めて考えてみると、入ったことないエリアが家の中にあるのって、すごいよね」
と笑って言った。

 美術館かな? みたいな建物だからだ。

 廊下も長い。

「あれっ?」
といずるはその長い廊下の途中にある細い廊下に気がついた。

 暗いそちらをひょいと見る。

 花瓶と絵が飾られている壁と反対側。

 ここ、ホテルとかのエレベーターがあるとこみたいだと思ったら、ほんとうにあった。
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