通りすがりの俺様
 


 結局、ごちゃごちゃリビングで話したあと、みんな、それぞれの部屋で、鍵をかけて寝ることになった。

「位置情報を共有しよう」
と一鷹がスマホを手に言い出す。

 えっ? と秀が困った顔をした。

「誰かのピンチとき、何処にいるか、すぐわかるだろ」

「そうだねえ。
 でも、それだと、隆二(りゅうじ)の彼女といたりしたら、すぐにバレちゃうね」

「……今、彼女いないから大丈夫」
と淡々と矢端が言う。

 過去、なにがあったのですか。

 ちょっと空気が冷え冷えしてて怖いんですけど、と苦笑いしながら、位置情報を共有する。

「でもこれ、同じ家の中で意味あるの?」
「移動してみろよ、秀」

「怖いから、お兄さん、来てください」

 頼りにならない兄を連れていくとは、生贄にでもするつもりだろうか……。

「この家広いから、家の中でも移動してくね。

 今……

 なんかこの家と隣の家の間に落ちてるよ、二人とも。
 大丈夫?」

「やっぱり、正確性に欠けますかね」
とみんなで眺めながら、位置情報を楽しんだ。




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