通りすがりの俺様


「まあ、言いたがらないから、心の整理が必要な、知り合いの誰かなんだろうとは思ってた。

 お前の緊張感がなかったから、たぶん、みんなもわかってる」

 そう一鷹は言う。

 七人は一鷹にあたためると美味しいパンをあたためないまま食べさせられていた。

 なにかの罰なのだろうか……。

「すまなかった、いずる」
と前に座る七人が謝ってくる。

「俺は弱みを握られて、お前に近づいてお前のことを探れと言われてたんだ」

「全然近づいてこなかったじゃん」

「……近づかなければと思いながらも、どうしても、お前に興味が持てなかった」

「……水内さん、()ってください」

 今こそ、殺ってくださいっ、と思ったが、一鷹は、

「いやあ、お前に興味のないイケメン。
 最高じゃないか」

 俺がいないとき、近くにいてくれると、男()けになっていいと言い出す。

 やがて、七人がぽつりぽつりと語り出した。

沙奈(さな)が警察に捕まったと聞いて――」

 まあ、もう解放されてるけどね、といずるは思う。

 沙奈を捕まえたお巡りさんたちには、沙奈が職場での痴情のもつれにより、いずるにストーカー行為を行っていたが、もう反省した、という風に説明して決着をつけた。

 いや、なにももつれてはいないのだが。
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