通りすがりの俺様



「もうっ。
 今日は水内さんの意味深な独り言で、ちょっとビビっちゃいましたよ~」

 暖かくなってきたので、今日の晩ご飯は庭でバーベキューをやっていた。

 作るのも面倒くさかったので、とりあえず、冷蔵庫にあるものを焼こうという感じのバーベキューだ。

 幸い、中庭にはバーベキューができる設備もあった。

「一鷹に限って、黒幕ってことはないだろ」
と秀は言って笑いながら、肉を焼いてくれていた。

「僕、嫌いなんだよね、バーベキュー。
 肉を焼かずにいられないから」

 バーベキュー奉行様っ。
 ありがたいけど、申し訳ございませんっ、と思いながら、いずるは言った。

「まあ、そうですね。
 水内さんがもう俺と結婚するんだから、あの土地は俺か俺の実家に預けて、どうにかしてもらえとか言い出したら怪しいですけどね」

 ははははは、といずるが笑ったとき、切った厚切りベーコンを持ってきながら、一鷹が言った。
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