通りすがりの俺様
 そのとき、

「そこまでだ。
 お前たち」

 黙って聞いていた一鷹が唐突に言った。

「その権利書をもらうのは俺だ」

「さてはお前、土地目当てでその女に近づいたな」

「そうだ」
と言った一鷹に、男たちの方が動揺する。

「なに言ってんだっ」
「お前、その女の彼氏だろう」
「熱く愛を語ってたじゃないかっ」

 ……うちの家は盗聴器だらけか。

「そんなの嘘に決まってるだろう。
 実家のじいさんのために、あの土地が欲しかったんだ」

 そう一鷹は言った。

「じいさんに気に入られたら、俺が後継ぎになれる。
 今いるショボイ会社なんて辞められる。

 ……だが、まあ、いずるはいい女だし。

 こいつと付き合って結婚したら金も女も俺のものだと思っただけだが」

 『だけだが』にしてはひどすぎる……っ、という顔を男たちはしていた。
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