通りすがりの俺様
「おい、燁子。
 こんな男と付き合ってるような女の兄貴と一緒になって大丈夫なのか」
と中のひとりが心配をしはじめる。

「お前たちと俺では悪党の度合いが違う。
 小物は去れよ」

「いや、騙されないぞっ。
 お前は、その女を愛しているはずだ。

 さっきから、常に、その女を庇うように前に立っているじゃないか」

 一鷹は眉をひそめて言った。

「……しまった~。
 口はぺらぺらしゃべれても態度に愛が出てしまったか」

 っていうか、お前、観察眼がすごいな。
 うちに来ないかと言い出す。

 ……心臓に悪い真似はやめてください。

 たぶん、ハッタリだとは思ったけど、ほんとうだったらどうしようと思っちゃったじゃないですか、
といずるは思う。
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