通りすがりの俺様
 ガッ、とカゴがナイフを止めた。

「……カゴで守られた。

 俺が……」

 いずるがとっさにカゴを拾い、一鷹と男の間に突き出したのだ。

「……あ、あなたがカゴで守ってくれると言ってくれてから、どうやって守ってくれるのかな、とつい考えてしまって……。

 ずっといろいろシミュレーションしてたのが役に立ちました」
と恥ずかしそうにいずるが言う。

「……いや、俺が守る予定だったんだが。
 まあ、ともかく、これはきっと運命だ」

 どう運命なんだ?
という顔をして、矢端たちに押さえつけられている男以外の男たちは小首を傾げていた。

 パトカーのサイレンが聞こえ、男たちが逃げ出す間もなく、警官たちがなだれ込んできた。

「誰か通報してくれたんですか?」
と矢端たちを振り返っていずるは訊いたが、そのとき、いずるのスマホが鳴った。

「通報したのは私よっ」
と電話から沙奈の声があふれる。

「……まだ盗聴してたの?」
と矢端が苦笑いして言っていた。

 



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