通りすがりの俺様
「ちょっと待て。
 いきなり愛を告白しないでくれ。
 俺の心臓が持たないから。

 自分が告白する覚悟しかなかったんだ。
 心を落ち着ける時間をくれ」

 一鷹はいずるから目をそらし、大きく深呼吸したあとで、いずるを見つめ、
「よし、言えっ」
と言ってくる。

「えっ?
 嫌ですよ、もう」
といずるは笑った。

「なんでだっ」

「だって、すごい決心して言おうとしたのに。
 私も心臓持たないんで」

「なに言ってんだ。
 俺への告白なんて、絶対オッケーなのはわかってるんだから、告白しろ」

「……絶対オッケーなら、言わなくてもいいんじゃないですか?」

 屁理屈を言うな、と一鷹は憎まれ口を叩くが、明らかにどきどきしている感じにいずるを見つめてくる。

 こんな俺様な人が私なんかの告白をこんな風に待ってるとかっ。

「やっぱり、全部詐欺なのではっ?」
とつい言ってしまい、待っていた言葉ではなかった言葉を聞いた一鷹は、

「ああ、そうだ。
 全部詐欺で打算だっ」
と言い出した。
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