恋旅
2日目 夜デート~青いハート~
昼下がりの時間、互いの胸に秘めた想いが確かめ合われ、二人はすでに「両思い」という確信を共有していた。
そのせいか、夜のデートに繰り出した佐奈と玲央の空気感は、周囲もうらやむほどすっかり出来上がったカップルのそれになっていた。
街のイルミネーションを眺めながら並んで歩く距離感も、ふとした瞬間に目が合うだけで自然とこぼれる笑顔も、昨日までとはどこか違う。
「ねえ、覚えてる? さっき話した理想の休日の過ごし方……」
ふと足を止めた佐奈が、驚いたような、そして嬉しそうなしぐさで玲央を見上げる。
玲央も同じように目を見張り、そして声を出して笑った。
「そう、朝はゆっくり起きて、コーヒー飲みながら映画観てさ……って、完全にさっき俺が言った通りじゃん」
「まさかここまで一緒だとは思わなかった。食べるものの好みも、行きたい場所も、笑うタイミングすら全部……」
佐奈が呆れたように、けれど愛おしさを隠せない笑顔で呟く。
二人の間に浮かび上がる理想の条件は、驚くほどの一致を見せていた。
それが偶然なのか運命なのかは分からないけれど、あまりのハマり様に、二人は顔を見合わせて思わず声を上げて笑い合った。
「これって、奇跡すぎない?」
玲央が優しく佐奈の手を取り、少し照れくさそうに、しかし真っ直ぐにそう告げる。
佐奈はその温もりを握り返し、青く輝くイルミネーションの下で、小さくうなずいた。
奇跡のようなこの偶然が、二人の距離をさらに強く、確かなものへと結びつけていく夜だった。