恋旅

2日目 夜

ひまりと龍之介、そして佐奈と玲央がそれぞれのロマンチックな夜デートへと繰り出している頃。



宿泊施設の広々としたラウンジやテラスには、残された10人のメンバーたちが集まっていた。



昼間の暑さが和らぎ、心地よい夜風が吹き抜ける中、あちこちに小さな輪ができて賑やかな空気に包まれている。



ソファの一角では、すみれが冷たいドリンクを握りしめながら、少し不機嫌そうに小さくため息をついていた。



「……ねえ、ちょっと聞いてよ。龍之介くん、さっきから全然こっち見てくれないんだよね。絶対ひまりちゃんのところ行っちゃってるし……」



その隣で、同じく思い人へのモヤモヤを抱える優羽梨が、苦笑いをしながらカップを揺らす。



「分かる……私も王子くんには好きな人がいるって言われて、ちょっとショックだったもん。颯真くんのことも気になるし、頭ごちゃごちゃだよ……」



そこに「まぁまぁ、焦らない焦らない!」と明るく声をかけたのは奈々波だ。



「私は翔くんに猛アピール中だけど、まだライバルいるしお互い大変だよね!」と笑い飛ばし、恋に悩む女子トークで自然と団結感が生まれていた。



一方のテーブル席では、男性陣がのんびりとドリンクを飲みながら今日のデートの話題で盛り上がっている。



「いやー、今日のグループ分けもどうなるか分かんないし、夜のデートはみんな気合い入ってたよな」



柊人がそう言って笑うと、翔も腕を組みながらうなずいた。



「だな。にしても、佐奈と玲央のカップル感はもう完成しすぎだろ。見ててこっちが照れるわ」



「分かる。あと、慧とかもマイペースに自分の空気作ってるし、みんなそれぞれ動き出してて面白いよな」



王子が楽しそうに笑い、颯真も「俺も、頑張らないとな……」と密かに闘志を燃やしている。




少し離れた場所では、美愛と環奈がまったりとスイーツをつまみながら、そんな男女の様子を観察していた。



「みんな色々考えてて青春って感じだよね」



「本当。私たちも明日からのグループデート、もっと積極的にいかないとね」



それぞれの胸に秘めた切なさ、焦り、そしてこれからの期待を乗せて、恋が動き出す4泊5日の夜は、和気あいあいとした熱気とともに静かに更けていくのだった。
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