恋旅

4日目 昼~第3グループ・ボーリング~


カラフルなボールがレーンを転がり、ピンを弾く爽快な音が響くボーリング場。



4人の男女がそれぞれの想いを胸に、ペアに分かれてゲームを楽しんでいた。





~柊人 & 環奈~

初めて自分の「気になる人」である柊人を誘うことができた環奈は、終始どこか緊張しながらも、嬉しさを隠しきれない様子で隣を歩いていた。



「ねえ、柊人くん……私、これまでずっと誘えなかったんだけど、本当に気になってるのは柊人くん1人だけだから」



勇気を振り絞ってまっすぐな想いを伝えた環奈に、柊人は驚いたような、そして心底嬉しそうな笑顔を浮かべた。



「本当? 俺、環奈ちゃんに誘ってもらえたの、すごく嬉しかったよ」



優しい声でそう返す柊人だったが、その瞳の奥にはどこか言いづらそうな迷いの色が浮かんでいた。



本当は、自分の気持ちが美愛に向いていることを知っているからこそ、環奈のまっすぐな好意にどう応えていいか分からず、優しさゆえに本当のことが言えずにいたのだ。



しかし、環奈はそんな柊人の複雑な表情や空気感を、もうとっくに察していた。



切なさを飲み込みながら、環奈は優しく微笑んで首を横に振る。



「……柊人くんの好きな人、私、知ってるよ。でも、今は何も言わないでほしいの。私、告白するまでは柊人くんの気持ち、聞かないって決めたから」



その健気すぎる言葉に、柊人は胸を締め付けられるような切なさと、申し訳なさを覚えるのだった。





~颯真 & 美愛~
一方のレーンでは、颯真が意を決して美愛にアピールを続けていた。



これまで奈々波やすみれなど他のメンバーのことも気になっていた颯真だったが、この旅を通じて、自分の本当の気持ちが美愛に向いていることに気づき、初めて「好きな人」をこうして自分から誘い出したのだ。



「俺、最初は色々迷ってたけど……今は美愛ちゃんのことが本当に気になってるんだ」



まっすぐに想いをぶつける颯真。



しかし、美愛は困ったような、申し訳なさそうな笑みを浮かべて小さく首を振った。



「颯真くん、ありがとう……すごく嬉しい。でも、ごめんね。私、ずっと気になってるのは柊人くんなの……」



ハッキリと告げられた他の人への想い。



普通ならここで引き下がるところだが、颯真は諦めきれないように苦笑いを浮かべたそぶりを見せる。



「そっか……。フラれるの分かってても、もう少しだけ……美愛ちゃんのことを好きでいてもいいかな」



切なさを滲ませながらも、一途に想い続けようとする颯真の言葉に、美愛は複雑ながらも胸を打たれるのだった。
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