恋旅
4日目 夜~第4グループ・プラネタリウム~
街の喧騒を離れ、静寂に包まれたドームの中へ足を踏み入れると、頭上いっぱいに満天の星空が広がっていた。
吸い込まれそうなほどの美しい星の輝きの下、リクライニングシートに並んで座る王子と優羽梨。
幻想的な光に包まれた空間の中、優羽梨は少し緊張した面持ちで、隣に座る王子にそっと視線を向けた。
「ねえ……王子くん。私、王子くんのことが好きだよ」
意を決したように紡がれた直球の想い。
しかし、優羽梨の表情にはまだどこか迷いが残っていた。
「……だけど、やっぱりまだ、颯真くんのことも好きで……。二人でずっと揺れちゃってて、ごめんね」
隠さずに自分の葛藤を打ち明けた優羽梨に、王子は驚くどころか、優しく柔らかな笑みを浮かべた。
そして、星空を見上げる優羽梨の顔を真っ直ぐに見つめ返す。
「そんなの謝らないでよ。教えてくれてありがとう。……でもね、俺は今日、こうして一緒に過ごして、優羽梨ちゃんが一番気になる存在だよ」
その誠実で力強い言葉に、優羽梨の胸は大きく跳ね上がった。
「っ……!」
不意を突かれた甘い言葉に、真っ暗なドームの中でも自分の顔が一気に熱くなっていくのが分かる。
王子に向けられた真っ直ぐな好意が嬉しくて、思わず顔を真っ赤にしてモジモジと照れてしまう優羽梨。
けれど――頭上できらめく星々を見上げながらも、優羽梨の心からは、どうしてももう一人の存在が消えずにいた。
嬉しいのに、切ない。
王子の優しい温もりを感じながらも、心のどこかではまだ、もう一つの選択肢である颯真の面影が離れないまま、静かなプラネタリウムの夜が過ぎていくのだった。