恋旅
最終日 優羽梨の最後の2ショットタイム
運命の告白を直前に控え、優羽梨は二人の男子の元へと足を運ぶことになった。
心に迷いを抱えたまま、それぞれとの最後の会話が始まる。
~王子 & 優羽梨~
これまで何度も言葉を交わし、特別な時間を過ごしてきた二人。
しかし、最後のツーショットで王子から告げられたのは、優羽梨の予想を超える言葉だった。
「優羽梨ちゃん、今までたくさん話してくれて本当に嬉しかった。……でも、俺はまだ、環奈ちゃんとすみれちゃんと優羽梨ちゃん、誰にするか正直で悩んでるんだ」
まだ答えを出せていないという王子の誠実な告白に、優羽梨の胸は大きく沈んだ。
私、昨日あんなに気持ちを伝えたのに……まだ他の子とも悩んでるんだ。
その事実を知った瞬間、王子のまっすぐな言葉を信じきれず、胸の奥で何かがスッと冷めていくのを感じる。
……もしかして、私じゃないのかな。それなら、ずっと一途に想ってくれていた颯真くんのほうが、本当はいいのかもしれない……。
頭の中で様々な感情が渦巻く中、どこか切なさを残したまま、二人の会話は終わりを迎えた。
~颯真 & 優羽梨~
王子の言葉を引きずりながらも、優羽梨はもう一人の気になっていた存在――颯真のもとへと向かった。
「颯真くん……話せる?」
「うん、もちろん」
静かな場所に腰を下ろしたものの、今の優羽梨の心は揺れに揺れていた。
自分の気持ちを整理するように、優羽梨はぽつりぽつりと本音をこぼす。
「私、まだ自分の気持ちを完全に決めきれてないんだけど……でも、王子くんと話して、気づいたの。私には、颯真くんのほうがいいのかもって……今は、颯真くんのほうが好きかもしれない」
自分の思いを告げられた颯真は、驚いたように目を見張り、それから少し複雑そうな表情を浮かべた。
「そっか……そうなんだね」
ストレートに好意を向けられたはずなのに、どこか優羽梨の言葉に迷いや「消去法のような切なさ」が混じっているのを、颯真も敏感に感じ取っていた。
本当はもっと喜びたいのに、お互いに「まだ完全に迷いがない状態」であることが重くのしかかり、二人の間には言葉にできない気まずい空気が流れていく。
どちらを選ぶべきか、最後の最後まで答えが見出せないまま、重苦しい沈黙が静かに二人を包み込んでいた。