スパダリ御曹司はスパダリ偽装妻を溺愛で囲い逃がさない
彼に誘われ、ダイニングへ。対面式のキッチンカウンターに、オリオンレジデンスホテルで使っているものと同じコーヒーメーカーが置いてある。
北斗さんは迷わずキッチンに入り、カップを準備していたソーサーにのせ、ダイニングテーブルに置く。
「引っ越し、お疲れ様。どうぞ」
笑顔でそっと差し出され、私は内心ため息をこぼした。またまた、先を越されてしまった。
「ありがとうございます」
そう言って、彼の腰かけた向かいに座る。そこで、私は口を開いた。
「でも、これ以降はこんなにしていただかなくて大丈夫ですからね。同居生活なので、互いに必要なことは互いにやれば済む話ですし。あまりお気遣いいただかなくても」
「まあ、コーヒーは俺も飲みたかっただけだから」
そう言うと、彼はくすりと優しく笑ってカップに口をつける。
余裕そうな顔で優雅にコーヒーを嗜む彼は、まるで私が昔に読んだ少女漫画の〝スパダリ〟そのものだ。
だけど、このままでいいはずがない。私は少しだけ考え、彼に告げた。
「それでは、夕飯は私がつくりますね」
北斗さんは少しの間だけ目を丸くしたけれど、すぐに微笑んで「ありがとう」と返してくれた。
私はコーヒーを飲みながら、改めて部屋を見回した。家具はお兄さんのセンスがいいのか、ダークブラウンで統一された家具は品があるのにどこか温かみがある。
テーブルや椅子は滑らかな木目が高級感を醸しているし、リビングにあるミッドナイトブルーのベロアソファも存在感がある。だがそれらは、不思議と日常感も内包しているのだ。
それに……なんて大きな部屋だろう。リビングダイニングだけで、私が住んでいた部屋が丸々ふたつくらい入ってしまいそうだ。
「そんなにじっくり見なくても。これから、琴子さんもここに住むんだから」
そんな彼の言葉に、「失礼しました」と彼に目線を戻す。北斗さんがくすくすとおかしそうに笑うから、なんだか恥ずかしい。
だが同時に、彼の言葉で改めて思い知る。今日から私はここで、北斗さんとふたり暮らし。つまり、ふたりきりで暮らすということだ。
そうだと意識してしまうと、急にそわそわしてしまう。
私はコーヒーを飲み干すと、立ち上がり北斗さんに笑顔で告げた。
「夕飯の買い出しに、行ってきます」
北斗さんは迷わずキッチンに入り、カップを準備していたソーサーにのせ、ダイニングテーブルに置く。
「引っ越し、お疲れ様。どうぞ」
笑顔でそっと差し出され、私は内心ため息をこぼした。またまた、先を越されてしまった。
「ありがとうございます」
そう言って、彼の腰かけた向かいに座る。そこで、私は口を開いた。
「でも、これ以降はこんなにしていただかなくて大丈夫ですからね。同居生活なので、互いに必要なことは互いにやれば済む話ですし。あまりお気遣いいただかなくても」
「まあ、コーヒーは俺も飲みたかっただけだから」
そう言うと、彼はくすりと優しく笑ってカップに口をつける。
余裕そうな顔で優雅にコーヒーを嗜む彼は、まるで私が昔に読んだ少女漫画の〝スパダリ〟そのものだ。
だけど、このままでいいはずがない。私は少しだけ考え、彼に告げた。
「それでは、夕飯は私がつくりますね」
北斗さんは少しの間だけ目を丸くしたけれど、すぐに微笑んで「ありがとう」と返してくれた。
私はコーヒーを飲みながら、改めて部屋を見回した。家具はお兄さんのセンスがいいのか、ダークブラウンで統一された家具は品があるのにどこか温かみがある。
テーブルや椅子は滑らかな木目が高級感を醸しているし、リビングにあるミッドナイトブルーのベロアソファも存在感がある。だがそれらは、不思議と日常感も内包しているのだ。
それに……なんて大きな部屋だろう。リビングダイニングだけで、私が住んでいた部屋が丸々ふたつくらい入ってしまいそうだ。
「そんなにじっくり見なくても。これから、琴子さんもここに住むんだから」
そんな彼の言葉に、「失礼しました」と彼に目線を戻す。北斗さんがくすくすとおかしそうに笑うから、なんだか恥ずかしい。
だが同時に、彼の言葉で改めて思い知る。今日から私はここで、北斗さんとふたり暮らし。つまり、ふたりきりで暮らすということだ。
そうだと意識してしまうと、急にそわそわしてしまう。
私はコーヒーを飲み干すと、立ち上がり北斗さんに笑顔で告げた。
「夕飯の買い出しに、行ってきます」