スパダリ御曹司はスパダリ偽装妻を溺愛で囲い逃がさない
4 新たな一面に翻弄されて
クリスマスを目前に控えた今日、私は日本屈指のリゾート施設を訪れていた。
ヤシの木が立ち並ぶエントランス。車止めで車を降りてエントランスに入ると、リゾートらしい広々としたロビーが目前に広がった。
モダンアートのようなシャンデリア、その下の大きな花瓶にはヤシの葉や南国らしい色とりどりの花がバランスよく配置され、それを取り囲むように大きなソファがある。
右端のほうには、控えめにクリスマスツリーと赤いソリがフォトスポットのように配置され、反対の端にあるピアノでは、クリスマスらしいジャズが生演奏されていた。
その音色は吹き抜けになっている四階の天井にまで響き、心地よく耳に響く。
「すごい……」
私は思わずその場に立ち尽くし、ぐるりと辺りを見渡した。
「だろう? 少し趣向は違うけれど、大人のリゾートという点ではあのヴィラに通じるものがある」
私の隣に立った北斗さんがそう言って、私ににこっと微笑んだ。カジュアルな服装でもあふれる気品を隠せていないところは、さすが御曹司だと思う。
『年末年始の予定は?』
北斗さんにそう聞かれたのは、あの日ディナーをいただいている最中だった。
『いつも仕事なので、特に実家に帰ったりはしていません。今年も休みの希望は特に出していないので、ホテル勤務になるかと』
私がそう答えると、北斗さんはくすりと笑って『そう』と呟いた。
あの時はなぜそんなことを聞かれたのかまったくわからなかったが、数日後に確認した勤務表では、私のホテル勤務に三連休があった。
課長に聞いたら、北斗さんからの指示だと言われ、自宅に戻って聞くと『視察に行こうと思って』と告げられる。
三日間も視察なんてと思ったが、なるほど、この施設なら三日あっても時間が足りなさそうだ。
二階と三階が宿泊施設になっているこの施設の、一階部分はロビーとレストラン、宴会場がある。最上階である四階にはスパや映画館、アミューズメントカジノも併設されており、千葉の湾岸エリアという立地も相まって、まさに大人の豪華な休日リゾートといった感じだ。
歴史と格式を重んじるオリオンレジデンスホテル東京のシックな高級感とはまた違う、開放感とラグジュアリーさ。
どちらも同じ高級宿泊施設だが、こちらは完全に〝日常を切り離すためにつくられた空間〟なのだと、思い知らされる。
だが、これはあくまで仕事で、視察。しっかりとサービスのすべてを記憶に刻み込もうと意気込んでいると、不意に北斗さんの腕が腰に回った。
唐突な近い距離に、とくりと胸が甘く鳴る。思わず見上げると、彼はにこりと私に微笑んだ。
「おかしなことはないだろう、俺たちは夫婦なんだから」
ヤシの木が立ち並ぶエントランス。車止めで車を降りてエントランスに入ると、リゾートらしい広々としたロビーが目前に広がった。
モダンアートのようなシャンデリア、その下の大きな花瓶にはヤシの葉や南国らしい色とりどりの花がバランスよく配置され、それを取り囲むように大きなソファがある。
右端のほうには、控えめにクリスマスツリーと赤いソリがフォトスポットのように配置され、反対の端にあるピアノでは、クリスマスらしいジャズが生演奏されていた。
その音色は吹き抜けになっている四階の天井にまで響き、心地よく耳に響く。
「すごい……」
私は思わずその場に立ち尽くし、ぐるりと辺りを見渡した。
「だろう? 少し趣向は違うけれど、大人のリゾートという点ではあのヴィラに通じるものがある」
私の隣に立った北斗さんがそう言って、私ににこっと微笑んだ。カジュアルな服装でもあふれる気品を隠せていないところは、さすが御曹司だと思う。
『年末年始の予定は?』
北斗さんにそう聞かれたのは、あの日ディナーをいただいている最中だった。
『いつも仕事なので、特に実家に帰ったりはしていません。今年も休みの希望は特に出していないので、ホテル勤務になるかと』
私がそう答えると、北斗さんはくすりと笑って『そう』と呟いた。
あの時はなぜそんなことを聞かれたのかまったくわからなかったが、数日後に確認した勤務表では、私のホテル勤務に三連休があった。
課長に聞いたら、北斗さんからの指示だと言われ、自宅に戻って聞くと『視察に行こうと思って』と告げられる。
三日間も視察なんてと思ったが、なるほど、この施設なら三日あっても時間が足りなさそうだ。
二階と三階が宿泊施設になっているこの施設の、一階部分はロビーとレストラン、宴会場がある。最上階である四階にはスパや映画館、アミューズメントカジノも併設されており、千葉の湾岸エリアという立地も相まって、まさに大人の豪華な休日リゾートといった感じだ。
歴史と格式を重んじるオリオンレジデンスホテル東京のシックな高級感とはまた違う、開放感とラグジュアリーさ。
どちらも同じ高級宿泊施設だが、こちらは完全に〝日常を切り離すためにつくられた空間〟なのだと、思い知らされる。
だが、これはあくまで仕事で、視察。しっかりとサービスのすべてを記憶に刻み込もうと意気込んでいると、不意に北斗さんの腕が腰に回った。
唐突な近い距離に、とくりと胸が甘く鳴る。思わず見上げると、彼はにこりと私に微笑んだ。
「おかしなことはないだろう、俺たちは夫婦なんだから」