スパダリ御曹司はスパダリ偽装妻を溺愛で囲い逃がさない
「実は、ずっと悩んでいたんだ。俺は父さんや兄さんみたいに、カリスマ性があるわけじゃない。だから、どうにかふたりに追いつこうと、必死だった。だけど――」
北斗さんはそこまで言うと、不意にこちらを振り向き微笑む。
「琴子と出会って、俺にはまだ俺自身も知らない一面があるんだと知った。だから俺は、俺のままでいいんじゃないかって思えるようになったんだ」
彼の言葉は、なんだか照れくさい。私はそっとワインに口をつけ、顔の火照りをごまかす。
それでちょぴり気持ちを落ち着けてから、口を開いた。
「でもそれはきっと、北斗さんの中にずっとあったものだと思います。それにカリスマ性だって、私は北斗さんからずっと感じていましたよ?」
私は北斗さんと出会ってから今までを思い返し、そう言った。
私をヴィラのクオリティ・マネージャーに引き抜こうとした時、彼は抗う私に対し強引に、熱量高く私を巻き込んだ。一緒に暮らすようになってからは彼の完璧すぎる包容力にひれ伏す毎日だったし、樫江精機を救ってくれた時の策士的な段取りのよさも、とてもかっこよかった。
そして今だって、こんなにも私を魅了するほど、完璧に先回りしてみせている。これをカリスマ性と呼ばずに、いったいなんと呼ぶのだろう。
「君と出会った初めの頃は、必死に父さんや兄さんの真似をしていたからね。だけど意識せずとも、父さんや兄さんみたいな一面が俺に現れた。それは、琴子を愛したから知ったこと」
過去を思い出し頬を緩ませていた私は、彼の言葉についぴくんと反応してしまう。
ちらっと彼を盗み見ようと思ったら、彼の熱を孕んだ瞳に縫い留められてしまった。彼は妖艶な笑みを浮かべたまま、私に聞いてくる。
「琴子は、どの俺が好き?」
それで、私の心臓はキャパオーバーになってしまったらしい。とくり、とくりと、唐突に甘いリズムを刻み始めた。
だけど、彼の問いに答えたい。だって、私は――。
「全部、好きです」
どんな北斗さんも北斗さんで、それを全部好きなのだから。
だけど言いながらやっぱり恥ずかしくなって、再びワインに口をつけた。甘みのなかに少しだけ渋さのある、大人の味。あんなことを言ってしまったのは。ほのかに香るアルコールのせいだ。
北斗さんはきっと、くすくす笑うだろう。そう思ったのに、聞こえてきたのはほうという優しいため息だった。
「本当に、俺は君には敵わない」
北斗さんはそこまで言うと、不意にこちらを振り向き微笑む。
「琴子と出会って、俺にはまだ俺自身も知らない一面があるんだと知った。だから俺は、俺のままでいいんじゃないかって思えるようになったんだ」
彼の言葉は、なんだか照れくさい。私はそっとワインに口をつけ、顔の火照りをごまかす。
それでちょぴり気持ちを落ち着けてから、口を開いた。
「でもそれはきっと、北斗さんの中にずっとあったものだと思います。それにカリスマ性だって、私は北斗さんからずっと感じていましたよ?」
私は北斗さんと出会ってから今までを思い返し、そう言った。
私をヴィラのクオリティ・マネージャーに引き抜こうとした時、彼は抗う私に対し強引に、熱量高く私を巻き込んだ。一緒に暮らすようになってからは彼の完璧すぎる包容力にひれ伏す毎日だったし、樫江精機を救ってくれた時の策士的な段取りのよさも、とてもかっこよかった。
そして今だって、こんなにも私を魅了するほど、完璧に先回りしてみせている。これをカリスマ性と呼ばずに、いったいなんと呼ぶのだろう。
「君と出会った初めの頃は、必死に父さんや兄さんの真似をしていたからね。だけど意識せずとも、父さんや兄さんみたいな一面が俺に現れた。それは、琴子を愛したから知ったこと」
過去を思い出し頬を緩ませていた私は、彼の言葉についぴくんと反応してしまう。
ちらっと彼を盗み見ようと思ったら、彼の熱を孕んだ瞳に縫い留められてしまった。彼は妖艶な笑みを浮かべたまま、私に聞いてくる。
「琴子は、どの俺が好き?」
それで、私の心臓はキャパオーバーになってしまったらしい。とくり、とくりと、唐突に甘いリズムを刻み始めた。
だけど、彼の問いに答えたい。だって、私は――。
「全部、好きです」
どんな北斗さんも北斗さんで、それを全部好きなのだから。
だけど言いながらやっぱり恥ずかしくなって、再びワインに口をつけた。甘みのなかに少しだけ渋さのある、大人の味。あんなことを言ってしまったのは。ほのかに香るアルコールのせいだ。
北斗さんはきっと、くすくす笑うだろう。そう思ったのに、聞こえてきたのはほうという優しいため息だった。
「本当に、俺は君には敵わない」