窓ガラスの向こうにいた恋
夕方。
用意していた苗も寄せ植えもすべて完売し、青葉祭は大成功で幕を閉じた。達成感と、少しの寂しさ。サークルの仲間たちとジュースで乾杯をした。

「翡翠ちゃん。」
「はい。」
「今日は本当に頑張ったね。」

そう言って、ぽん、と頭を優しく撫でてくれた。その手は温かくて、大きくて、少しだけ花の香りがした。

「…ありがとうございます。」

頬が熱い。どうしてこんなに嬉しいのか、自分でも分からなかった。

「翡翠。」

凪から突然名前を呼ばれた。

「ん?」
「頭ぽんぽんされたあと、耳まで真っ赤だよ?」
「…え?」
「気づいてない?」

思わず自分の頬に触れる。まだ熱い気がした。

「まぁ、私の勘違いかもしれないけどね。」

凪は笑って、ジュースを飲んだ。

「でも、そんな翡翠を見るの、私は結構好きだよ。」

その言葉に、私は曖昧に笑い返すことしかできなかった。自分でもまだ分からない。どうしてこんなに胸が落ち着かないのか。どうして澪先輩ばかり目で追ってしまうのか。答えはまだ、見つからなかった。

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