天使とケサランパサランの靴屋
 顔を伏せたまま、彼は胸の奥の張り裂けそうな痛みを、目の前の天使へと吐き出します。

「どうして神様は、こんな残酷なことをするんだ……! わしは過去の幸せな日々を見せられて喜び、その直後に逃れられない辛い現実を見せつけられた。そして今……ずっと気づけなかった君の深い愛を知らされた。これ以上、わしにどうしろと言うんだ!」

 彼は「もう、うんざりだ」と激しく首を振りました。

「なあ、ケサランパサラン。こんなわしにはもう二度と……幸せなんて訪れないのだろうか?」

 冷たい沈黙の時間が二人の間に流れます。

 返ってこない答えに、コーリャは(訪れるはずもないか……)と自嘲気味に諦めを噛み締め、静かに目を閉じました。

 そばかすの天使は、打ちひしがれる彼の姿を静かに見据えると、その場に膝をつき、彼の震える肩へそっと手を添えました。

 そして優しく揺らすように呼びかけ、彼の顔をそっと上げさせるのでした。

 彼女が指さした先――そこには、暗闇の向こうで眩しく光り輝く、あの「灯り」がありました。

 よく見ると、いくつもの扉が開かれており、そこからまばゆい光が漏れ出しているのだと気づきます。

 扉の向こう側には、娘のナターシャがすくすくと成長していく愛おしい日々が映し出されていました。

 そして――ある一つの扉の向こうから、孫のサーシャがコーリャに向かって大きく手を振り、嬉しそうに呼びかけてきます。

「おじいちゃん!」

 その容姿は、彼が知る姿よりも少し大きく成長していました。コーリャは驚きに目を見開き、ハッと気づいてそばかすの天使を振り返ります。

「あれは……未来(きぼう)なのか?」
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